持続可能性目標
2018年、執行委員会は英ケンブリッジ大学サステナビリティ・リーダーシップ研究所(CISL)と協力し、国連が定める持続可能な開発目標(SDGs)に沿った2030年に向けた持続可能性戦略を策定しました。
当社は「Climate, Land and People Positive(気候・土地・人に対しプラスの影響を与える)」に対する「コミットメント」の一端として、国連が定めるSDGsと繋がるターゲットを策定しています。このような高い目標は、当社の現在および未来の持続可能性プログラムを推進するものとなっています。
持続可能性の目標とターゲット
2030年までの「Climate Positive(気候に対しプラスの影響を与える)」
Climate Positive(気候に対しプラスの影響を与える) レポート 2022
パフォーマンス表 2022
目標 | ターゲット | マイルストーン | 2021年の進捗 |
排出削減: 当社は事業活動における再生可能エネルギーの使用を最大化し、世界の気温上昇を産業革命前より1.5℃に抑えるという水準に沿って当社の排出量を削減することで、「科学的根拠に基づく目標(SBTs)」を達成してまいります。 SDGs: 7.2, 9.4.13.2 |
2030年までに地球温暖化を1.5℃に抑えるという水準に沿って、当社はSBTsを達成します。 |
2024年末までにスコープ1および2の2018年の絶対排出量を25%削減します。 クローダの全拠点において、2022年末までに脱炭素化のロードマップを策定します。 |
当社はビジネスの成長を環境負荷から切り離しており、2018年以来生産量は5.8%増にもかかわらず、スコープ1および2の絶対排出量は13.4%削減しました。 非製造拠点は地域の推進者らによる支援を得て、ロードマップの策定に取り組み、25%完了しています。 |
カーボンカバー: 当社は低炭素経済への移行を可能にしていきます。お客様と密接に協力して使用すると炭素削減メリットが得られる製品を開発し、「Climate Positive(気候にプラス)」となります。 SDGs: 7.2, 7.3, 23.2 |
2030年までに当社製品の使用することで当社ビジネスに絡む炭素排出量の4倍のCO2の排出を回避します―当社の炭素排出のカバー比は4:1となります。 |
2024年末までに、当社製品の使用することで実現されるCO2排出節減量を200万トンにします。 2024年末までに、下流側のスコープ3における影響について当社の製品ポートフォリオを100%評価します。 |
証明済みケーススタディに付随する成分の利用により、917,000トンのCO2eを回避し、炭素排出のカバー率は0.8:1となりました。 |
持続可能なイノベーション: 当社は化石・石油化学原料から脱却し、バイオベースの製品への移行を加速させます。 SDGs: 12.2 |
2030年までに、当社が使用する有機原材料の重量の75%以上をバイオベースとし、それらが成長する中で大気からの炭素を吸収するようにします。 | 当社が使用する有機原材料の71%(3年間の平均)を2024年末までにバイオベースにします。 |
バイオベースの有機原材料の当社使用量は67%から69%と2パーセンテージポイント増加しました。 多領域ワーキンググループがバイオベースの代替品に交換可能な現在の石油科学系原材料を全て特定しました。 |
2030年までの「Land Positive(土地に対しプラスの影響を与える)」
Land Positive(土地に対しプラスの影響を与える) レポート 2022
パフォーマンス表 2022
目標 | ターゲット | マイルストーン | 2021年の進捗 |
土地の利用: 当社は私たちが利用する以上の土地を保全します。当社の農薬事業では持続可能な調達とイノベーションの触発により、農地の利用効率を高め、生物多様性を守り、食料安全保障を強化してまいります。 SDGs: 2.3, 2.4, 12.2, 15.2, 15.3 |
この10年で当社の作物保護技術や種子技術の適用により保全する土地が、当社の使用原材料の栽培に用いる土地の増加を少なくとも2倍上回るようにし、また2030年までに2019年より広い年200,000ヘクタールの土地を保全します。 |
2024年末までに、当社の技術を利用して保全する土地面積が2019年より広い、少なくとも年80,000ヘクタールとなるようにします。 |
当社は主要サプライヤーと引き続き協力し、収率の改善、温室効果ガスのデータ、土壌健全性、水の消費量、生物多様性の保護について詳しい情報を集めます。 当社はブラジルの主要なお客様との大規模な実地試験で、当社のアジュバント技術による土地保全データの妥当性を確認しました。 2019年の基準年を上回る年33,734ヘクタールを保全し、2024年の中間目標や2030年目標達成に向けて今も順調に進行しています。 |
クロップサイエンスイノベーション: 当社は変動する気候や森林破壊の影響の軽減において、作物や種子の強化を支援するイノベーションのプロジェクトやパートナーシップに投資してまいります。 SDGs: 13.2, 15.2, 15.3 |
当社のSBTsと一致し、お客様が気候変動や土地の劣化による影響を軽減させるのに役立つ作物の技術的ブレークスルーを、2030年まで毎年平均して2件市場に投入します。 |
2024年末までに条件を満たす10件の技術的ブレークスルーを市場に投入します。 |
当社は技術的ブレークスルーを、測定可能な大きな効果があり、かつ既存の性能効果に対するより持続可能な方法か、もしくは当社のSDGs目標に沿った既存の技術プラットフォームによる新たな性能効果のいずれかを有する新規技術と定義します。 当社は第二のマイクロプラスチックフリーの種子コーティング技術を発売し、主要農作物市場に対する当社の影響力を拡大させました。 当社の研究プログラムをより明確に持続可能性本位の技術を重視するよう設定し直しました。これにより自然や生物多様性に向けた当社の利益増が促進することになります。 当社はマイクロプラスチックフリーの種子コーティングについて初の商業販売を確保しました。 |
2030年までの「People Positive(人に対しプラスの影響を与える)」
People Positive(人に対しプラスの影響を与える)レポート 2022
パフォーマンス表 2022
目標 | ターゲット | マイルストーン | 2021年の進捗 |
健康と福祉: 当社はこれからもスマートサイエンスを活用し、当社の成分や技術の開発や応用を通じて健康な生活や福祉を促進してまいります。 SDGs: 3.3, 3.4 |
当社は、2030年までにWHOの掲げるパイプラインワクチンについて、その25%の開発と商業化の成功に貢献します。 |
2024年末までに、WHOの掲げるパイプラインワクチンの少なくとも25%について少なくとも10件のフェーズ3の臨床試験で、当社の技術がその一部となります。 |
当社の技術がWHOの掲げるパイプラインワクチンの開発に使用されているプロジェクトについての詳細をまとめました。 79件のプロジェクトにおよぶ24のパイプラインワクチンのうち15ワクチンにおいて、クローダの技術は様々な評価段階にあります。(2020年:32プロジェクト) Enteknoとのパートナーシップから初めて新しい日焼け防止成分が発売されました。 クローダの日焼け防止成分により年間5,500万人を保護しています。 |
ジェンダーバランス: 当社はリーダーシップの地位にある女性数を増やすため、採用と育成機会に焦点を当てることで当社ビジネスにおけるジェンダーバランスを実現してまいります。 SDGs: 5.6 |
当社は2030年までに組織内のリーダーシップの役割にわたりジェンダーバランスを達成します。 |
2023年末までに最終候補者の80%についてジェンダーバランスをとるという目標を設定し、クローダ全体でジェンダーバランスの取れた最終候補者採用を展開しています。 |
現在リーダーシップの役割の36%を女性が占め、ジェンダーバランス目標到達においてさらに進展が見られました。(2020年:31%) 大半の上級リーダーに対する長期インセンティブプランに、ジェンダーバランス目標が初めて組み込まれました(PSP)。 クローダの本社取締役会は新たに2名の女性非業務執行取締役を任命し、現在ジェンダーバランスがとれています。 |
より多くの生活を豊かにする: 当社はそのスマートサイエンスを推進し、当社の科学がプラスの効果を生み出せる妥当なコミュニティ内で当社の技術を駆使してより多くの生活を向上させる力となってまいります。当社はSTEM(科学・技術・工学・数学)教育の機会創出や、当社成分の使用や応用を通じた基本的生活必需品の提供を目指しています。 SDGs: 全部 |
当社はクローダ財団を設立して資金を供与し、関連するコミュニティにおいて100万人の生活を豊かにします。 | クローダ財団に対する中間目標を設定します。 |
クローダ財団理事会により3つのプロジェクトに対して資金供与が初承認されました。 200万ポンドの使途制限付き助成金が追加でクローダから財団へ提供され、最もニーズの高い地域の医療インフラ向上に投資されます。 「Charity of the Year(チャリティー・オブ・ザ・イヤー)」のコンペティションが開催され、British Heart Foundation(ブリティッシュハートファウンデーション)が25,000ポンドを初受賞しました。 |
2030年までのファンダメンタルズ
パフォーマンス表 2022
目標 | ターゲット | マイルストーン | 2021年の進捗 |
健康、安全および福祉: 当社は全ての社員や請負人の仕事における健康、安全、福祉を守ります。 SDGs: 3.4, 3.9, 8.8 |
OSHA(米国労働安全衛生局)の「記録災害度数率(Total Recordable Incident Rate)」を化学業界の上位10%入りさせます。 当社の「Global Employee Culture Survey(グローバル従業員文化調査)」において、福祉領域に対する肯定的回答を30%増やします。 |
2024年末までにOSHAの「記録災害度数率」0.3を達成します。 |
OSHAの「記録災害度数率」は0.73でした。* 「ヒューマンパフォーマンスプログラム」が策定され、2022年に本格開始します。 ウェルビーイングを向上するため、全ての管理職に対して”Leading with Empathy"のトレーニングを実施します。 Mind UKの「精神衛生eラーニング」モジュールを全社員に提供、現在1900人以上の社員が完了しています。 |
プロセスの安全性: 当社は全ての社員や請負人、および当社が事業活動を行うコミュニティの健康と安全を守ります。 SDGs: 3.9, 8.8 |
プロセス安全に関する年間重大インシデントをゼロにします。 軽微なインシデントやニアミスの調査を続け、これらから学んだ事柄を適用していきます。 |
2023年末までに危険の高いプロセスに対する当社の「プロセスリスクレビュー(PRR)」について第三者ピアレビューを実施します。 2021年末までにSASB(持続可能性会計基準機構)のプロセス安全指標に照らして報告能力を構築します。 |
(40件のうち)22件の「プロセスリスクレビュー(PRRs)」が評価を終えています。 現在は「SASBプロセス安全指標」に照らしてプロセス安全に関するインシデントの報告を行います。 2021年のプロセス安全インシデント発生率(Process Safety Total Incident Rate:PSTIR)は0.034でした。 |
環境スチュワードシップ: 当社は水の消費量や廃棄物産出量への責任ある管理を通して、自然環境を保護します。 SDGs: 6.3, 6.4, 12.5 |
当社の水利用による影響を2018年のベースラインから50%削減します。 |
2021年末までに水質影響アセスメント方法を策定・実装します。 2024年末までに、当社の水利用による影響を2018年のベースラインから25%削減します。 2024年末までに当社の事業活動にわたりプロセスの埋め立て処理廃棄物を排除します。 |
Avant、Alabaster、USは大気中への排出について適切な許可を得ず操業したとして違反通告を受けました。この現場は以降、拡張プロジェクトの一端として申請を再提出しており、承認は2022年前期と予想されます。 「水資影響度」の方法論が改良され、6か所の製造拠点で試用しました。 日本の滋賀県にある製造拠点はリサイクル水の利用に投資し、取水量を75%削減しました。 プロセスの埋め立て処理廃棄物を2018年のベースラインから22%削減しました。 |
公正な所得: 当社はクローダで働く全ての人が公正な所得を得るよう保証することにより、持続可能でインクルーシブな経済成長に貢献します。 SDGs: 8.5 |
臨時雇用者や常勤社員を含めてクローダの各拠点で働く全ての人、および全ての請負人は毎年監視と審査が行われる生活賃金を受け取ります。 |
臨時雇用者や常勤社員を含めて全ての社員に2022年末までに生活賃金が支払われるようにします。 常時採用される全ての請負人は2024年末までに生活賃金が支払われるようにします。 |
2021年末時点で、臨時雇用者や常勤社員を含めて全ての社員にFair Wage Networkの基準に則った生活賃金が支払われており、1年前倒しでターゲットを達成しています。 |
持続可能な調達とパートナーシップ: 当社は全ての主要サプライヤーが安全かつ倫理的で責任を持った事業活動を行っていることを保証し、サプライチェーン内における利益の公平な分配を促進します。 SDGs: 12.6, 12.7, 17 |
全ての主要サプライヤーが慣行を改善するようEco Vadisに対応し、当社と取り組んでいくことを徹底させます。 |
2024年末までに、全ての主要サプライヤーは最低でもEcoVadisによる平均スコア(またはこれに相当するもの)を達成するよう求められるか、またはギャップを解消するスケジュールを示したアクションプランを用意します。 2024年末までに、当社の原材料数量の少なくとも50%を占める主要サプライヤーは、公式にSBTイニシアチブか、または同等の炭素削減目標に署名するよう求められます。 2024年末までに、作物由来の原材料サプライヤーは、完全に追跡可能で、かつ認証済みの持続可能な方法でサプライチェーンの透明性を示すよう求められます。 |
当社の支出の65%を占めるサプライヤーは 2021年に当社が購入したパーム誘導体の85%は 2020年の購入数量の94%は、持続可能な派生物のための行動(Action for Sustainable Derivatives:ASD)との協力により、製油所、搾油所、またはプランテーションのいずれかの対応付けが行われました。 当社はサプライチェーンの相互透明性について協力し、データシェアリングのために業界全体の基準を策定するため、Together for Sustainabilityへ加わりました。 |
ナレッジマネジメント: 当社は自らの知的資本を管理し、社員が当社ビジネスの持続可能な開発を推進するために必要な知識やスキルを獲得し、全員に生涯学習の機会を促すよう徹底させます。 SDGs: 4.3 |
ターゲットを確定させる予定です。 | 2025年末までに全社員が年に最低1週間のトレーニングを受けます。 |
Ashridge Hult(ハルト・アシュリッジ)と提携し、新しい「リーダーシップ開発プログラム」を開始しました。 Ambitious 2030(アンビシャス2030)のターゲットはまだ策定中です。 |
品質保証: 当社は事業活動にわたってリソースの効率を最大化し、あらゆる種類の無駄なエネルギーや水、資材を最小化します。 SDGs: 12.2, 12.5 |
非逸脱発生率(Right First Time:RFT)99.5%を達成します。 | 2024年末までにRFT 99.0%を達成します。 |
2021年は2024年のマイルストーンを果たすターゲットを上回って終えました。 2030年の目標に向けた継続的進展を確保するため、先を見越したロードマップを策定しました。 |
プロダクト・スチュワードシップ: 当社はその成分と、それがお客様の製品のライフサイクルに与える影響に対するライフサイクル・アセスメント(LCA)において率先した役割を果たしてまいります。これは、当社の事業を行う市場がより循環型経済へと移行し、また化学品の危険有害性に対する消費者や社員の暴露を削減するのに有効です。 SDGs: 3.9, 12.2, 14.1 |
当社の上位100成分について、完全なライフサイクル・アセスメント(LCA)を実施します。 |
2021年末までに外部の情報と検証を得て、LCAの方法論をまとめます。 2024年末までに40のLCAを完了します。 |
Ricardoのサポートと検証により、ISO14040を遵守するLCAの方法論をまとめました。 ColtideのRadianceについて初めて完全なLCAを完了しました。 |
責任あるビジネス: 当社は業界内で最も革新的な成分の最も持続可能なサプライヤーとしての地位を証明し維持してまいります。 SDGs: 全部 |
EcoVadisのアセスメントの中で、全てのテーマにわたり極めて優れたCSRパフォーマンス評価を達成します。 | 2023年末までにEcoVadisのスコアで最低85点を達成します。 | ワールドサステナビリティアワードでビジネス・オブ・ザ・イヤーを受賞。 |