社会の保護と生活の向上
お客様活動を通して社会の健康と福祉を向上させるソリューションを開発し、当社ビジネスの多様性を促進、コミュニティに社会的インパクトをもたらします。
クローダの存在意義「目的(Purpose)」であるSmart science to improve lives™を実践し、社員から社外のステークホルダーやコミュニティに至るまで個人を信頼し、ダイバーシティとインクルージョンを推進し、2050年までに90億人以上の人々がプラネタリー・バウンダリー内で豊かに暮らせる世界に貢献します。(WBCSDのビジョン2050:大変革の時)。
新しいバイオテクノロジーから日焼け止めに至るまで、当社のバリューチェーンやエコシステムにおける有意義なインパクトプロジェクトからクローダ財団(Croda Foundation)に至るまで相互に依存しており、それらが協力して革新を起こす能力は大規模なインパクトを実現するための重要な成功要素となります。
SDG 3.3, SDG 3.4, SDG 5.5, SDG 17
「People Positive(人に対しプラスの影響を与える)」になることで、クローダは国連が定める以下のSDGターゲットに向けて直接貢献してまいります。
People Positive: 2030年の世界
より多くの人々の生活を改善する
進捗
ジェンダーバランスとダイバーシティ&インクルージョン
クローダは2030年までにリーダーシップチーム全体においてジェンダーバランスを達成するという目標に対し、継続して進捗を測定しています。
嬉しいことにリーダーシップの地位にある女性の数が2019年の基準値から5.7%増加し、現在はリーダーシップの役割のうち38.2%を女性が占めています。2023年1月1日付けで新たに女性CFOの Louisa Burdettが任命されたことで、2023年における取締役会は女性の代表が55%に、執行委員会では33%となっています。2022年には、女性のプロセスオペレーター数が48%純増し(PTICの処分に伴う辞職者を除く)、また権威ある上席リーダーシップ・プログラムへの参加は、男女のバランスが取れており、2030年の目標達成を後押しする上で重要なステップとなりました。クローダは引き続きバランスのとれた候補者リストを監視し、2023年にはこのデータ収集を自動化して、問題が生じた場合に特定できるようにする予定です。
ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)への広がり
クローダは2021年に発表したD&Iロードマップに基づいて取り組みを進め、確実により多様でインクルーシブな組織になるために多様性のデータ収集、D&Iの意識向上、クローダのD&Iブランドの策定、各種KPIの測定や設定、および報酬や報償へのすり合わせといった主要分野での対策を特定しました。
「グローバル多様性代表調査(Global Diversity Representation Survey)」に続き、対象となった問題に取り組むため各地域専用の目標を設定しました。例えば南アジアでは3つのサブグループを設置し、コミュニケーションや意識の問題に取り組み、D&I文化を育み、また採用活動を見直しました。クローダ全体でD&Iの意識を構築する自社プログラムには、この分野のオピニオンリーダーによるマスタークラスの開催があります。これにはアジアに焦点を当ててシニアリーダーに行われた「文化認識(Cultural Awareness)」に関する一連の会合なども含まれています。各地域のチームも新たにD&Iの小委員会や所属グループを設置して、グローバルD&I委員会を補完しています。これらは各地域の経営陣に様々なテーマで助言を行い、当社社員のエクスペリエンスにおける真の変革実現を後押しする手段として役立っています。
健康な生活とウェルビーイングの推進
世界中の人々の健康に対する脅威から身を守る
当社はスマートサイエンスを用いて健康的な生活を促進することに取り組んでいます。中心となる特殊賦形剤やアジュバントシステム、脂質輸送システムなどのバイオ製剤を強化しています。クローダファーマは次世代の治療約やmRNAベースのワクチンの実現に投資しています。COVID-19以外でも、WHOがリストに掲載している24種の疾病ワクチンの開発においてパートナーと協力を
ワクチン候補をリスト化している24疾病との闘いで、各パートナーとの協力を続けています。
当社の技術はすでに第III相臨床試験や40種類以上の商品化ワクチンに含まれています。WHOがリスト化している候補ワクチンの25%について開発や商品化の成功に貢献するという目標に近づきつつあり、候補ワクチンの25%において10件の第III相臨床試験を行うという2024年の主要目標は達成しています。
SDGsの目標3である「すべての人に健康と福祉を」、および新たな重要分野としての「グローバルヘルスへの備え(Global Health Preparedness)」に光を当てる2021年重要度評価に合わせる形で、当社は2022年に英国政府より1億5,900万ポンドの助成を受けてスタッフォードシャー州リークにあるクローダファーマの製造施設を拡張しました。またペンシルベニア州ラマーに第三の脂質施設を設置するために米国政府と共同契約を結び(プロジェクトの投資総額は最大1億3,300万ドル)、両者の投資で次世代の核酸製剤供給を支えています。
皮膚癌発症の可能性を防ぐ
2022年、クローダのサンケア原料の利用を通じて、有害な紫外線により起こる皮膚癌の発症の可能性から6,100万人以上の人々を守ることに貢献しました。これは少なくとも年間6,000万人の人々を守るという2030年の目標より7年早いものとなっています。この成果に基づいて、クローダの技術を用いたサンケア原料に関連する社会的インパクトの目標を更に拡大させるた、ロードマップ策定を行っています。また、鉱物由来の安全で持続可能なサンスクリーン原料のトータルソリューションを提供するために処方開発も進めています。2022年には米国で、また2023年初めにはヨーロッパで処方アカデミーを展開したほか、ラテンアメリカでは非常に高いSPFと低エネルギー製法に焦点を当てた新しい処方キットも作製しました。
クローダのポジティブインパクト(プラスの影響)の拡大
地域コミュニティの支援
クローダは地域コミュニティと関わり、これを支援しています。2022年にはクローダ社員が1%クラブ活動を通じて5,336時間を提供しました。そのうち31%は次のようなSTEM教育活動へ向けられました:
- 北米でSDGsの目標2「飢餓をゼロに」を支援するため、アトラスポイントの社員が315家族を支援するため16,500kgの食料を配給しました。
- クローダ・ブラジルのカンピナス(Campinas)の社員は介護施設でプランターを清掃して塗装し、様々な野菜を植えることでその居住者支援を行いました。野菜の多くはIncotec Brazilが寄付しました。
「1%クラブ」に留まらず、当社のフレグランス事業部門のイベルケム(Iberchem)はその「草の根プログラム(Roots Programme)」である「デジタル格差の解消(Bridging the Digital Divide)」を拡大させました。最初はタイでスタートしたプロジェクトですが、今はスペイン、メキシコ、フランス、中国へと広がっています。このプロジェクトは、数百台のコンピューターワークステーションを寄贈する中で、世界中の何千という学生たちが情報や知識、教育へアクセスすることを可能にするものです。2022年にはクローダ・サウスアフリカが学校を通じて7名の子ども達の後援を開始し、彼らの生活や将来の見通しを向上させました。
さらに2022年5月の国際生物多様性の日に寄せた国連事務総長アントニオ・グテーレス氏の行動要請の思いを受け、また2023年までにNet Nature Positive(ネット・ネイチャーポジティブ)」という当社の目標に合わせて、クローダの社員は人と自然を再び結び付ける多様なイニシアチブに従事しました。これには地域コミュニティでの環境浄化や森林再生(インド、オランダ、トルコ、コロンビアの各拠点で)のほか、ヨーロッパの5つの拠点で行ったミツバチの巣箱の維持管理などがあり、自然保護や生物多様性に一役買ったほか、地域の生態系バランスにも寄与しました。
2030年までに100万人の生活を持続可能な形で向上させる:クローダ財団(Croda Foundation)
クローダインターナショナル(Croda International Plc)が設立した独立系慈善団体のクローダ財団(Croda Foundation)は2021年に最初の資金調達を行い、慈善団体としての承認を受けた後、2022年はインパクトに満ちた行動の年となっています。同財団は3つの主要分野にわたる生活の向上、すなわち医療へのアクセス向上、飢餓や貧困の軽減と暮らしの改善、および森林や生態系の回復を目指しています。
同財団は2030年までに100万人の生活向上という目標に対し、現在進行中のプロジェクトを通じて今日までに少なくとも30万人の生活を持続可能な形で向上させています。
生活プロジェクトの数は2021年には6件でしたが、2022年には3倍以上の21件へ増え、19か国で1,400万人以上に恩恵をもたらしました。この年にクローダが提供した助成金のうち280万ポンドを拠出しました。クローダ財団(Croda Foundation)は2026年末までに達成すべきいくつかの主要目標を承認しています:
- 45万人の人々の収入向上とスキル向上により、生活をよりよく支えるようになりました。
- 60万人の人々がこれまではなかった医療と清潔な飲料水の供給にアクセスできるようになりました。
- 7,000ヘクタールの森林が保全、または生態系が再生されました。
- 3万本の木を植林しました。
クローダ財団(Croda Foundation)はそのミッションを修正し、現在は一段と国連のSDGsに沿ったものとなっています。また国連のSDGsを支援するプロジェクトが英国の法律に基づいて慈善活動を行い、同財団の慈善目的をさらに推進するよう徹底させています。