クローダのビジネスモデル
事業内容
私たちは、「smart science」を使って、人々の生活を改善するための高性能な原料や技術を生み出しています。私たちはB2B(企業間取引)企業であり、様々な規模のお客様に小さながらも価値のある原料を販売しています。これらの原料は低い投入量でも重要な機能を提供し、強力な競争力を持っています。
当社ビジネスに必要なもの | クローダのビジネスモデル
原材料コストは売上高の35%です。当社は石油化学由来ではなく、農産物や、天然油などのバイオベースの原料を幅広く使用しています。当社は価格設定によって、コストインフレの影響を管理しています。
当社は2022年には社内イノベーションに6,600万ポンドを投じました。これを技術買収のパイプラインと500を超えるオープンイノベーションの各パートナーが補っています。これらのパートナーシップは、大学や中小企業の一流の科学者とのコレボレーションを促進し、専門的で世界クラスの専門知識や施設へのアクセスを提供するため、当社のビジネスモデルにとって重要です。
当社の従業員数は5,825名で、従業員コストは売り上げの19%です。従業員の知識を商品化する事が、高い売上利益率を実現するカギとなっています。当社で働く従業員はグローバルに拡大しており、科学の職務に就く従業員の割合が増加し、従業員の多様性が向上しています。
当社は、資産、インフラを維持、開発、脱炭素化するために、毎年売上高の6%の設備投資を行っています。これは、当社の生産量が比較的少ないため、同業他社よりも低い水準となっています。現在、医薬品技術のプラットフォームを拡大するため、ターゲットを絞った有機的投資でこれを強化しています。
当社の資金需要は、主にグリーンバンキングファシリティを含むローン、及びクレジットファシリティによって賄われています。EBITDAに対する純負債のレバレッジ・レシオは0.5倍と中期的なサイクルでの目標とする1~2倍を下回っており、オーガニックと買収によるものの両方で将来の投資が可能となっています。
当社は世界各地に現地倉庫のグローバルネットワークを有しており、迅速かつ機敏にお客様に直接原料を届ける事ができます。昨今の世界的なサプライチェーンの課題にもかかわらず、当社は高価値で少量生産のニッチな分野に重点を置き、サプライチェーンマネジメントに成功しているため、コストに占める割合が小さい運賃の上昇を除けば、大きな混乱は避けられています。
エネルギーコストは売上高の3%です。当社は社内外の様々なエネルギー源から供給される熱を利用して化学反応を促進させています。エネルギーがコストに占める割合は同業他社と比べると比較的小さく、ヨーロッパにおける潜在的なガス供給停止に対する混乱に直接巻き込まれるのは限定的となっています。
当社が事業を展開しているすべての地域には、当社が生産する原料やその用途に適用される規制があります。規制が正しく適用されることで当社製品の効能に対する信頼が高まるため、当社は業界のパートナーと協力しながら、規制や自主規制を積極的に策定しています。
競争上の優位性
「ワン・クローダ(One Croda)」の文化
当社は、強い目的意識と価値観によって、結ばれ、ひとつのチームとして働いています。当社は報酬規程と高いレベルの従業員持株制度を通じて「One Croda」文化を推進し、全員が目標達成に向けて協力する事を奨励しています。当社は、競合他社よりも機敏で起業家的になる事を目指し、「お客様の近くで」意思決定が行われるよう、分散型の運営モデルを採用しています。
顧客との親密性
当社はお客様を理解し、科学に精通した営業を現地採用しています。これは代理店経由の販売が多い私たちの市場において珍しいことです。このような直販モデルはお客様との関係を築き、お客様の課題に関する洞察や消費者行動の変化をもたらし、当社のイノベーションのカギとなります。直接販売を補うものとしては、各地のイノベーションセンターがあり、当社の研究所でお客様と共同開発を行い、市場投入までの時間を短縮しています。
イノベーション・リーダーシップ
当社は250の特許群にまたがる1,500件の特許をはじめ、保護された貴重な知的財産やノウハウで差別化された技術ポートフォリオを有し、市場をリードするイノベーターです。これは当社の原料が独自の特徴を持ち、より高い付加価値を提供する事を意味します。当社には協調的でオープンなイノベーションモデルがあり、社内の研究開発と提携や技術買収と結び付いています。こうしたイノベーションのエコシステムや最近の企業買収の結果、当社はますます知識集約型企業になりつつあります。
持続可能性のリーダーシップ
当社は繊維産業の副産物である羊毛脂からラノリンを作るため1925年に設立され、それ以来当社のビジネスに持続可能性を組み込んでいます。現在は、2030年までに世界で最も持続可能な革新的成分のサプライヤになるために当社の「コミットメント(Commitment)」確実に果たすべく、長期の持続可能性戦略を当社の働き方に根付かせています。消費者は自分の購入する製品を通じてプラスの影響をもたらそうと決意しており、持続可能な成分の創造は当社の将来の商業的成功にとって重要な原動力なのです。
成長へのアプローチ
当社は既に確立された大きな市場でシェアを獲得するのではなく、新しい市場や技術のニッチを創造することで成長します。当社は高いマージンによって、イノベーションと持続可能性における当社のリーダーシップを評価する急成長のニッチ分野をターゲットにしています。これにより価格よりもむしろ価値で競争することが可能になり、販売量の伸びよりも利益の伸びを優先させるという目標を支える事が出来るのです。
当社の市場すべてにわたる競合大手はなく、その代わりにニッチな分野ごとに異なる競合他社が存在しています。当社の顧客は大小様々で、多岐にわたっています。このように顧客と製品の組み合わせが非常に数多くあることから、特定の顧客、市場、地域による影響が小さくなっています。
当社はタンクローリーではなく、試験管や小瓶の量で販売しており、キロ当たり何ドルではなくグラム当たり何ドルでの販売に移行しています。これは、大規模な連続操業工場ではなく、柔軟で資本負担の軽い製造拠点を稼働させており、価値を生み出すために大規模な資本を投資する必要がないということを意味します。
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当社のパーパス(存在目的)
クローダでは、スマートサイエンス(smart science)を駆使して人々の生活を向上させることを私たちの目的としており、私たちが互いにどのように働くかを律し、すべてのパートナーとの関係を導く、独自の価値観に基づく企業文化によって実現されています。
クローダのコミットメント
当社は革新的な成分の最も持続可能なサプライヤーとなります。2030年までに「Climate, Land and People Positive(気候・土地・人に対しプラスの影響を与える)」になることを当社の10か年アクションプランとしています。