Smart science(スマートサイエンス)
「イノベーションはクローダにとって「Smart science to improve lives™(生活を豊かにするスマートサイエンス)」を活用するという「当社のパーパス(存在目的)」を実現するための原動力であり、これによって当社はよりスマートで持続可能な暮らしを想像することができるのです。」
------ダミアン・ケリー、イノベーション・技術開発担当バイスプレジデント
イノベーションの実現と新たな技術の創出は当社の成長戦略アプローチのカギとなる2つの要素であり、現在および将来の持続可能性に対する当社の野心に不可欠であり、お客様との約束で最も重要な要素なのです。これを実現するということは次のような意味になります:
当社が行っていること: |
これが意味するもの: |
当社自らの研究開発(R&D)への投資。 | 当社は2014年以来、R&D用研究所の数を2倍以上に増やしています。 |
当社のバイオテクノロジー能力の構築。 | 当社はバイオテクノロジーの主要4分野で専門知識を有し、保有する専門研究所で幅広い能力を発揮しています。 |
破壊的技術の特定と実現。 | 2020年における当社売り上げの27.4%が新製品および特許取得済み製品(New and Patented Products:NPP)でした。 |
買収やライセンス化を通じた新規技術の商品化。 | 2017年以来8社の買収を行い、新しい発想や技術へのアクセスが得られています。 |
革新的なデジタル技術の特定と利用。 | 当社のデジタル研究開発プログラムにより、データサイエンスの能力を当社のグローバルな研究開発ナレッジベース全体で強化するなど、社内外での協働力が深まることになります。 |
「オープンイノベーション・スマート提携」プログラムを策定し、大学や学界、テクノロジー企業との連携をさらに強化。 | 当社は 世界で500件を超えるオープンイノベーションプロジェクトを行い、またヨーロッパで博士課程の学生を500名以上後援しています。 |
ケーススタディ:クロップケア市場でイノベーションを推進
農業は世界で約20%の炭素排出量の原因になっており、よって農業の環境に与える影響が注目を集める課題になりつつあるのも不思議ではありません。従来この産業は化学肥料や殺虫剤に依存してきましたが、現在クロップケアにおける生物製剤の可能性に対する理解が進んでいます。温室での害虫コントロールに対する捕食生物の役割は確立されていますが、微生物や天然由来の化合物もバイオスティミュラントやバイオ農薬としての可能性があります。
クローダは2015年にインコテック(Incotec)のシードエンハンスメント事業を、また2018年にはプラントインパクト(Plant Impact)のバイオスティミュラント事業を買収したことで、生物製剤を採用する際の課題のいくつかに対応できる確固とした地位を築いています。こうした課題には、使用前の微生物の生存率や施用方法との適合性、環境における相違などがあります。そこでクローダは新しい技術を開発しており、これを大豆の種に施用すると、芽や根の成長を刺激し、収穫高が増加する結果となりました。現在は異なる種子施用技術でこのバイオスティミュラントを評価しています。ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校と協力して、微生物の最適な応用方法としてさらなるシードエンハンスメントも開発中です。さらに人工知能(AI)を用いて特定環境向けに生物製剤を最適化するというビッグデータ課題にも取り組んでいます。
お客様のためにイノベーションと持続可能性を実現する
クローダは持続可能なプロセスやバイオベースの原材料を高い割合で使うことによってお客様や消費者の満たされないニーズに対応する製品を創出するのみならず、当社の事業活動や製造における効率の最大化も行っています。
アイディアやイノベーションに対して熱い思いを共有する当社の世界的な科学者たちは、絶えずお客様の役に立つ新しい方法を開発し特定しながら、持続可能性に対する当社のコミットメントも果たしています。現在そうした活動には次のようなものがあります:
- 新たなバイオベース原材料の特定
- バイオテクノロジーの促進
- 当社のカーボンフットプリントや炭素排出量の削減
- エネルギー消費量や水への影響、使用水量の削減など、当社の製造が与えるインパクトの削減