イノベーション
当社の研究開発(R&D)チームは、化学やバイオテクノロジー、特殊賦形剤、植物科学など、多彩な専門分野の科学者450名以上で構成されています。これらの優秀な人材は、世界中の当社のお客様や消費者のニーズに応えるため、より有効で持続可能な成分の創出を推進しています。
さらなる能力の向上
2030年に向けて進む中、当社の戦略目標にバイオテクノロジーの能力拡大があります。当社はどうすればこの科学が我々の知識を拡げ、製造方法についての思考をかき立ててくれるかを模索しています。バイオテクノロジーがもたらす持続可能性のメリットは数多く、これを利用して既存の科学的ノウハウを向上させ、発展させることができます。
バイオテクノロジーはクローダにとって新しいものというわけではありません。当社の美容有効成分事業であるSederma(セダーマ)はこの能力を活用して50種類を超える革新的成分を開発してきたほか、海洋バイオテクノロジーを専門とするNautilusや酵素の活用を得意とするEnza Biotechなどの買収により専門技術の構築が進んできました。また英国にはバイオテクノロジーのR&D用研究所も設立しています。
「持続可能性影響アセスメント(Sustainability Impact Assessments)」には、バイオテクノロジーが当社のお客様やその事業活動に次のような明らかなメリットをもたらせることが示されています:
- 化学処理の必要性を削減
- 温度を下げ、反応に必要なエネルギー量を削減
- 触媒の必要性を削減または排除
- スコープ2および3の炭素排出量を削減
- プロセス安全性の向上
アルバン・ミュラー(Alban Muller)における科学と持続可能性の融合
変化するスキンケア市場への成長機会
セダーマ(Sederma)の事業により、当社はスキンケア市場をリードするイノベーターであり、かつアンチエイジング成分でナンバーワンのサプライヤーとなっています。またクロダロム(Crodarom)ブランドのもと、植物由来の天然エキスでもリードしています。最近は科学と天然エキスを融合させる民間企業、アルバン・ミュラー(Alban Muller)を買収し、当社の美容成分事業において提供できる天然成分の幅が広がっています。
アルバン・ミュラーの天然有効・機能成分は、年9%の伸びを示すスキンケア市場において変化する消費者の要求に応える大きな成長機会を生み出しています。この買収も、消費者市場において当社が資本をどこに割り当てていく予定かをよく示しています。アルバン・ミュラーの製品Cytokalmine™ は敏感肌用の天然濃縮液で、鎮静効果と抗酸化作用が証明されています。2021年に発売されたこの新製品はザクロ食品の生産の副産物から生まれた天然100%です。現地で調達する副産物を用いた天然有効成分の生産は、アルバン・ミュラーがいかに代替品よりも持続可能な美容成分を提供しているかを示す好例です。
製造のイノベーション
当社のプロセスイノベーションチームは常に持続可能性における改善点を優先しながら、製造の強化と新技術に力を注いでいます。彼らの知見と努力により、当社は各製品の代替製造法を開発することができ、バイオベースの原材料使用の増加やCO2排出量の削減、節水をさらに推し進めています。彼らは次のことを行います:
- 様々な製造拠点の課題を割り出し、理解する。
- 拠点のニーズを満たす技術を発見または開発する。
- 新しい技術を組み入れ、既存の働き方を更新する。
常に当社製造拠点の最大4分の3で、プロセスイノベーションチームとのプロジェクト進行が可能になっています。プロジェクトはすべて効率性、安全性、製品の品質または持続可能性のいずれかの向上に寄与しています。例えば次のとおりです:
- CO2排出量を削減し、当社の脱炭素戦略に貢献する。
- 各拠点で使用される水をリサイクルする。
- 製造においてより持続可能なプロセスを配備する。